
パティスリー/八王子市 「メゾンドゥース」
世界コンクール受賞シェフのスイーツが味わえる 定番と洗練されたエスプリが共存するパティスリー
1989年に創設され「洋菓子界のオリンピック」とも称される世界的に有名な洋菓子コンクール「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー」で、2019年に世界第2位となったパティシエの店が。八王子・南大沢にある。2025年7月に移転リニューアルした「パティスリー メゾンドゥース」だ。地元はもちろん、遠方からわざわざ足を運ぶファンもいるほどの人気店だ。
まるでパリのブティックを思わせるスタイリッシュでエレガントな店を入ると淡いベージュカラーで統一された、大人っぽい雰囲気のフロアにほんのりと甘い香りが漂う。それは店名の通り「メゾンドゥース(=甘いお家)」のイメージそのもの。40種類以上のプチガトーや、ホールケーキがずらりと並んだ宝石箱のようなショーケースが目に飛び込んでくる。さらに焼き上がったばかりのクロワッサンやデニッシュなどのヴィエノワズリーや、マドレーヌなどの焼き菓子も店頭を彩る。棚にはサブレやクッキーなどの焼き菓子、ガラスケースにはマカロンとショコラがセンスよく並べられいる。
この店は、新宿「小笠原伯爵邸」や国分寺「Ichirin(イチリン)」などの人気店でシェフパティシエを務めた伊藤文明さんが、2013年に独立・開業したフランス菓子をメインとするパティスリー。2019年に、世界的に権威ある洋菓子コンクールで準優勝(世界第2位)を果たし、国内外に広く知られるようになった。とはいえ、伊藤シェフは、数々の経歴を持ちながらも、普段は気さくで穏やかな二児の父。お店もそんな人柄を映すようにアットホームな雰囲気で、子どもから大人まで親しみやすい店だ。
人気商品の一つが「苺のグランショート」。ミルキーで甘さ控えめの生クリームと、絹のようにきめ細かなスポンジが折り重なり、一口目から計算された食感と味のバランスに驚かされる。クリームとスポンジの繊細さに苺の酸味が重なり、3つの要素が一体となって軽やかな口当たりながらも、存在感のある一品。
また、なめらかでコクのある「南大沢プリン」も、『とろけるプリン派』の方にぜひおすすめしたい逸品。卵とミルクの豊かな風味に、苦味を抑えたキャラメルが絶妙に調和し、優しい口当たり。一見定番でありながらも、素材の良さとシェフの技が光る、また食べたくなる味だ。
対照的にメリハリのある甘さや、クロカントな食感を楽しませてくれる、ヨーロッパのエスプリを感じるガトー「Trevi(トレヴィ)」(734円税込)は、2008年に「ルクサンド・グラン・プレミオコンクール」というイタリアのリキュールメーカーが主催する大会で優勝した作品。
生菓子以外にも、店内の棚にはフィナンシェやマドレーヌ、焼きドーナツやクッキーなど多くの焼き菓子が並ぶ。焼き菓子は日持ちがするので、ギフトや手土産に喜ばれる。シェフがデザインした、おしゃれな焼き菓子用のパッケージが種類豊富に用意されていて、セレクトできるのも魅力の一つだ。店頭で販売されるギフト商品は、八王子市のふるさと納税返礼品にも採用されている。
伊藤シェフの転機となったのは、独立1年前に「クラブ ガレット デ ロワ コンクール」で優勝したことだという。「ガレット デ ロワ」はフランスの新年を祝う伝統的な焼き菓子で、織り込みパイ生地の中にたっぷりのクレームダマンドを詰めて焼き上げる。中に隠したフェーヴ(本来はそら豆の意味ですがここでは小さな陶器の置物)が当たった人はその日は王様になれるという言い伝えから「王様のガレット」と呼ばれている。
伊藤シェフのガレットは、模様の美しさとサクサク軽やかな食感、アーモンドの香り高さが、高く評価された。その作品「ガレット デ ロワ」は今もシェフの想いが詰まったスペシャリテとして1月に販売されている。気になる方はぜひホームページなどでチェックを。
ほっとする親しみやすさと、フランス仕込みのエスプリが同居する本格的なパティスリー「メゾンドゥース」は、わざわざ足を運びたくなる多摩のとっておきの一軒であり、美食家には堪らない店だ。
施設名 | パティスリーメゾンドゥース |
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住所 | 東京都八王子市南大沢2-206-10 |
TEL | 042-689-6221 |
営業時間 | 10:00~19:00 |
定休日 | 火曜日(不定休あり) |
対応言語 | 日本語 |
メニュー表記 | 日本語 |
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