マイクロミニマム醸造所/八王子市「八王子クラフトリキュール」
「THE ASIAN SPIRITS MASTERS2025 」で 金賞を受賞 「八王子クラフトリキュール」
美味しい料理にはおいしいお酒が欠かせない。おいしいお酒があれば料理もより美味しく楽しめる。美食家にとって「お酒」は「食」を愉しむうえで欠かせないパートナーだ。というわけで、今回からお酒づくりに情熱を注ぐ人々や多摩エリアの蔵元なども紹介する。第1回目は、八王子の現役バーテンダーが手がける「八王子クラフトリキュール」というメーカーを紹介する。
「リキュール」はギリシャで古代より「薬酒」として扱われ、その後、果実やハーブ、ナッツや花などを漬け込むなど、「嗜好品」へと発展。その種類は香りや色、味わいのバリエーションは無限大。成熟市場のヨーロッパやアジアの新興企業からも革新的なアイテムが次々と販売され、世界中に数えきれないほどのリキュールが存在する。
そんな「クラフトリキュール」の世界で、世界が注目する「革新的なリキュール」が実はここ多摩エリアで造られている! それがカクテルを知り尽くした現役バーテンダーが2024年に創業した醸造所「八王子クラフトリキュール」。なんと創業2年目にして、ロンドンを拠点にする酒類専門の業界誌・メディア「The Spirits Business」社が主催する権威あるスピリッツの品評会のリキュール部門で金賞に輝いた。
代表は八王子市三崎町にある「洋酒考(ようしゅこう)」というオーセンティックバーのオーナー兼バーテンダーの島村 悟(しまむら さとる)さん。小さなアパートの一室に1mくらいの高さの200Lステンレスタンクを3台、コンパクトな蒸留機が1台、それにフードドライヤーという食材用の乾燥機1台を設置した、文字通り小さな場所で小ロット生産を手掛ける「マイクロミニマム醸造所」というコンセプトの蒸留所だ。
島村さんは、八王子ではよく知られる生粋のバーテンダー。島村さんが注目したのは一般的にビールの苦味や香りを引き出す原料として知られているハーブの一種「ホップ」と、八王子のシンボルツリーでもある「桑」の実「マルベリー」を使ったリキュール。かつて八王子は江戸時代後期、養蚕用の桑畑が広がり「桑都(そうと)」と呼ばれた。今でも八王子市は「桑都(そうと)」という言葉をまちのシンボルとして使う。
そのマルベリー(桑の実)とホップをメインに、10種類のハーブを漬け込んだクラフトリキュール「マルベリー&ホップ28%」を2024年に生み出した。「フルーティーでありながらほろ苦い風味が、ホップがマルベリーの風味に豊かなニュアンスを加えていることから『難解』で珍しいが心地よい」と高評価を得た。
金賞を獲得したことに一番驚いたのはご本人だった。「最初の作品がどう評価されるのか」と軽い気持ちで出品だった。「自分がオーセンティックバーでバーテンダーとしてやってきたこと、独自のテイストのリキュールを製造することに自信がついた。それがいちばん嬉しかった」と島村さん。
金賞を受賞したことで、問い合わせも増えた。文化庁や八王子市は日本遺産「桑都物語」のロゴ使用を許可。八王子市のふるさと納税の返礼品にも認定された。また、八王子市内酒販店やスーパー、コンビニなどでも販売の協力し、地元・八王子市や市内の事業者も応援。地元のレストランやバーではこのリキュールやジンを使ったオリジナリティーあふれるカクテルが提供されはじめた。お酒好きには「八王子の手土産」にも重宝されはじめている。
島村さんは、地元農家と連携し、八王子・ひよどり山でホップとマルベリー栽培にも取り組む。まだ「八王子産100%」ではないが、いずれは100%にしたい考えだ。一度の仕込みで製造できるのはわずか約200本。仕込みからボトル詰めまでに半月ほどを要する。その作業をひとりで丁寧な手仕事でこなす。
その取り組みはじわりじわりと波紋を広げている。同社のホームページには取扱店酒販店や取り扱い飲食店のほか、飲み方なども紹介されている。このお酒を楽しむために、八王子に「旅」に出かけてみるのも、「お酒好き」「美食家」にはいいのでは?
| 施設名 | 八王子craft liqueur(八王子クラフトリキュール) |
|---|---|
| 住所 | 八王子市万町99−8 富士コーポ101 *この施設での販売はしていません。取扱店舗またはインターネットからの購入ください。 |
| 電話番号 | 090-9246-3304 |
| URL |
