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銭湯

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多摩の銭湯

 日本独自の文化である銭湯。古文書によると1200~1300年代には京都の街中に存在し、人々が入浴を楽しんでいたと言われています。現存する銭湯の多くは1960年代に建造されたもの。約20,000軒あった銭湯は、現在約3,000軒にまで減少し、そのうち約500軒が東京にあるとされます。

数こそ減りましたが、今なお残る銭湯には愛され続ける理由があるはず。多摩地域の3つの銭湯に注目しました。

おすすめ情報/関連施設

大蔵湯

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  • 町田市
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創業1966年。町田市で最も歴史ある銭湯が大蔵湯です。温浴施設としてはもちろん、近隣住民のコミュニティの場として愛されてきた大蔵湯は、創業からちょうど50年にあたる2016年にリニューアル。大きな瓦屋根と頭上高くそびえる煙突はそのままに、内外装ともにシンプルで上質感のある銭湯へと生まれ変わりました。

リニューアルに際して店主の土田さんは「これまでにない銭湯にしたかった」と話します。その証拠に、ほとんどの銭湯で見られるジェット風呂や電気風呂はなく、あるのは大きな檜のお風呂だけ。「美肌の湯」と呼ばれる軟水のお風呂は、入浴後のしっとり感が特徴です。檜の香りが充満する静かな空間で、ほっとひと息いかがですか。

〒194-0033 東京都町田市木曽町522
TEL. 042-723-5664

富士見湯

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  • 昭島市
  • 銭湯

約7,000冊の漫画本が読み放題。22時間営業。地下水100%使用。WEBサイトに印象的な数字が並ぶ昭島市の富士見湯は、「若者も足を運びたくなる楽しくてクレイジーな銭湯」をコンセプトに掲げる銭湯です。まず圧倒されるのがロビーの壁一面に陳列された漫画本の数。先述の通り、陳列される約7,000冊の漫画本はロビーや2階の寝ころびスペースで読み放題です。

浴場に入るとさらに驚きが。招き猫や鳳凰、亀、富士山など、縁起がよいとされるものが描かれたカラフルな壁画が目に飛び込んできます。昔、昭島市でクジラの化石が発見されたことにちなんで、壁画にはクジラがひときわ大きく描かれています。お風呂のお湯は、東京都で唯一地下水のみを水源とする昭島市の地下水を使用。蛇口から飲める清潔な地下水を贅沢に使用した銭湯です。

〒196-0022 東京都昭島市中神町1260
TEL. 042-541-2081

庚申湯

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  • 西東京市
  • 銭湯

西東京市にある庚申湯は、富士の湯と絹の湯の個性豊かな2つのお風呂を用意。男湯と女湯は1週間ごとに入れ替わります。各お風呂の背景画は、ペンキ絵師の田中みずきさんが描いたもの。富士の湯は富士山を、絹の湯には福島県の奥会津にある金山の風景が描かれています。

2022年現在、ペンキ絵師は日本で3名しかおらず、30代の田中さんは最年少。田中さんは美術系の出版社に勤めながら師匠の下でペンキ絵の経験を積んでいましたが、ペンキ絵の文化を継承するために退職。見習い期間9年を経て、庚申湯をはじめ関東のさまざまな銭湯の背景画を描いています。

〒188-0014 東京都西東京市芝久保町1-13-2
TEL. 042-465-0261

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