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イタリアン  檜原村『villa delpino(ヴィッラ デルピーノ)』

イタリアン  檜原村『villa delpino(ヴィッラ デルピーノ)』

ソムリエ出身のオーナーシェフが営む 檜原村の人気イタリア料理店

「ヴィッラ デルピーノ」は、東京都の西部、大自然が楽しめる檜原村の景勝地「払沢の滝(ほっさわのたき)」へと向かう遊歩道の近くにある地元の人と観光客に愛されている小さなイタリア料理店。イタリアワインに魅せられたワイン・ソムリエであるオーナーシェフが、イタリア・トスカーナ地方フィレンツェで食べ歩いた郷土料理に腕をふるい、相性ぴったりなワインとともに愉しませてくれる。

 

松村さんは、学生時代にアルバイトで働いていた銀座のワインバーで「ソムリエ」という職業に憧れを持ち、資格も取得。その後、イタリア・フィレンツェへ行き、街中のレストランで、白インゲン豆、セロリや玉ねぎなどの香味野菜で作ったミネストローネスープにパンを入れて煮込んだ「リボッリータ」など、イタリア・トスカーナ州の郷土料理を食べ歩いたことが原点となっている。

 

檜原村に店を出して驚いたことがあるという。それは「都心」と比べて「水」と「空気」が圧倒的においしいことと、「地元のおばあちゃんが作る普段の食事がとにかく美味しい」こと。「檜原村はイタリアっぽい」と思った。これはこの土地の澄んだ空気で育った食材と、清らかな水を使って作る料理、そしてそこで育った人の味覚で調理するからではないかと。イタリアにもマンマ(お母さん)やノンナ(おばあちゃん)の味がある。そこで手に入る旬のものを工夫して食べる似た文化があった。

 

この店では、フィレンツェで心を動かされた地産地消の郷土料理のように、地元檜原村やあきる野市の旬の食材を野菜がふんだんに積極的に使い、この場所でしか出せない美味しさを追求。パンも近隣で人気のベーカリー「森の風°(もりのぷう)」の天然酵母のパンを提供している。

ランチはおまかせ一種類のみ その日のベストの料理を提供

ランチは、「その日のベストの『素材』を使った、ベストな『料理』と『味』を味わって欲しい」と、メニューボードに書かれている本日のランチ「前菜一皿とパスタ二皿」のコース1種類のみ(1500円税込)。別途、デザートやドリンクは用意されているが、取材時は「ひのはら柚子とツナのクリームソースのペンネッテ」と「五日市ブロッコリーとベーコンのトマトソーススパゲッティ」だった。ディナーは14:30以降~22:00までの完全予約制となっている。

 

約40年前に宮大工も入って建てられた店内は、一枚板のテーブルがいい雰囲気を醸し出し、どの席からも外の樹々の景色が眺められる。12席ほどのオープンキッチンのフロアを松村さんがワンオペでこなす。

ワインを頼むと料理に合うワインを選んでくれた。この日は、ワイングラスではなく、リム(飲み口)が分厚いコップ型のグラスで提供してくれた。「難しいことを考えずにがぶ飲みできること」が理由で、イタリアの食堂でもこの厚口のコップ型グラスでワインを提供してくれたという。

 

都心から日帰りもできる大自然が残る檜原村の、美味しい水と空気で育った食材を使ったこだわりのイタリア料理はいかが。時間をかけて行く価値は十分にある。可能なら旅がてら泊りがけで訪れてはいかが。

DATA
施設名

villa delpino ヴィッラ・デルピーノ

住所

東京都西多摩郡檜原村本宿5493-1

TEL

042-598-1054

営業時間

11:00~14:30(以降~22:00までは予約の方のみ)

定休日

水・木・不定休

対応言語

日本語・英語

メニュー

日本語・英語・イタリア語

公式サイト

https://www.facebook.com/hinohara.delpino/?locale=ja_

柔らかく茹でた地元あきる野産のブロッコリーがソースのようにパスタに絡む一皿目のパスタ「五日市ブロッコリーとベーコンのトマトソーススパゲッティ」
柔らかく茹でた地元あきる野産のブロッコリーがソースのようにパスタに絡む一皿目のパスタ「五日市ブロッコリーとベーコンのトマトソーススパゲッティ」
檜原村の柚子を塩で漬け込んだ「塩柚子」の塩味と柑橘の爽やかさが、まろやかなソースと絡み、飽きのこない味わいのパスタ「ひのはら柚子とツナのクリームソースのペンネッテ」
檜原村の柚子を塩で漬け込んだ「塩柚子」の塩味と柑橘の爽やかさが、まろやかなソースと絡み、飽きのこない味わいのパスタ「ひのはら柚子とツナのクリームソースのペンネッテ」
同店の冬の定番料理になっている「リボッリータ」。奥の厚口グラスがぶ飲みするは、フィレンツェの食堂スタイルなのだそう
同店の冬の定番料理になっている「リボッリータ」。奥の厚口グラスがぶ飲みするは、フィレンツェの食堂スタイルなのだそう
手早くコルクを抜きながら、ワインの説明をされる落ち着いた立ち居振る舞いとさりげないトークは、長年のサーヴィスの経験があるからこそ
手早くコルクを抜きながら、ワインの説明をされる落ち着いた立ち居振る舞いとさりげないトークは、長年のサーヴィスの経験があるからこそ

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