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イタリアン&スローフード/武蔵野市 「momento(モメント)」

イタリアン&スローフード/武蔵野市 「momento(モメント)」

イタリアで「スローフード」の文化を体験し学んだ、料理人夫妻が営むイタリア料理店

「momento(モメント)」は、近隣の畑で栽培された旬の新鮮な野菜や、国産の天然の魚介類、またホルモン剤などを使用しない放し飼いの肉類といった、少量ながらも丁寧に育てられた食材と、素材を生かした料理、そしてナチュラルワインが楽しめるイタリア料理店。「ヴィーガン」や「ベジタリアン」向けの本格的なプラントベースのお料理も味わえると評判を呼んでいる。

オーナーシェフの有本琢磨さんは、フレンチの料理人を父にもち、幼い頃から「食でもてなす楽しさ」を身近に感じてきた。国内イタリア料理店で修業後、イタリア・ピエモンテ州のアルバという小さな村にあるミシュランにも掲載されているトラットリアで最先端の技術を学び、マルケ州の「アグリツーリズモ」ではオーガニック野菜や郷土料理の魅力を体感した。「アグリツーリズモ」とは「農業」と「観光」を組み合わせた宿泊施設付きのレストランのこと。

一方、共同経営者でサーヴィス兼マネージャーの井上紗奈さんは、留学先のイタリアで現地の食の文化に魅せられ料理人に転身。約8年イタリア各地の文化と郷土料理を学び、マルケ州の別の「アグリツーリズモ」で2年間シェフを務めてきた。ふたりはマルケ州で出会って結婚。日本で素材を生かした料理と自然派ワインが堪能できる店を作ろうと同店を開店した。

井上さんの実家は立川市立で「ぶどう園」を経営され、ふたりもワイン用の葡萄の栽培やワイン造りにも携わり、「ぶどう園」で音楽とワインを楽しむフェス「ART in FARM」を毎年開催。イタリア発祥のスローフードやプラントベースのヴィーガン料理の魅力を積極的に発信されている。

ヘルシーなのにちゃんと満足感が得られる「momento」のスローフード

「スローフード」とは、食品添加物は使わず、伝統的な食材や地元の素材を生かした料理のこと。「イタリアでは贅沢なものを使わなくてもできる美味しい料理のことを『クッチーナ・ポーヴェラ』と言い、誇りを持っている。また古くから地産地消が当たり前で、どの地でも半径1キロメートルの範囲のものを工夫して使う」と井上さんは言う。「しっかりとした味がある野菜があるから、魚や肉を使わずとも料理が完成する。だからイタリアでヴィーガン料理が一般的なのです」とも語る。

提供するのは、ランチは前菜とパスタorメインディッシュ、自家製パン、ドリンクの組み合わせが選べる3種類のセット(1,600円税込み~)と、予約が必要な全5皿と自家製パンが付くライトコース(6,000円)と全7皿のシェフコース(8,000円)。ディナーは7皿のコース(8,000円)と、季節の食材を生かしたアラカルトや、パスタ料理も提供する。

取材日はランチの全7皿のシェフコースを頼んだが、ウェルカムフードからはじまり、白身魚のスズキに井の頭産の無農薬バジルを使ったペーストを挟んだ温製の前菜など3皿、じゃが芋を生地に練り込んだフォカッチャと、海老の殻を砕いて煮詰めた芳醇な香りと旨みが凝縮された味わいのパスタ「海老のビスクソースのリングイネ」、3日以上かけて煮込まれたソースで仕上げたメインの「放牧牛タンの100時間デミグラスソース」、自家製天然酵母の2種類の手作りパンが提供され、食材を生かしつつ技巧を凝らした料理が堪能できた。

一見ボリュームがあるだが、バターなどの油分を使いすぎないようにし、素材の持つ旨みや時間をかけて煮込むことなどで凝縮感を出し、味に深みを出す工夫をするなど、「ヘルシーでなるべく胃に負担がかかりにくいようにしている」という。

有本シェフは、2020年行われた「ベジタリアンチャンスジャパン」というヴィーガンの日本大会で、三國清三シェフから審査員特別賞を授与されるなど、プラントベース料理のシェフとしても注目されている。

DATA
店舗名

「momento(モメント)」

住所

武蔵野市御殿山1−3−9 1F -C

TEL

070-4002-5496

営業時間

ランチ  11:30〜14:30ラストオーダー

ディナー 17:30〜20:30ラストオーダー

定休日

毎週火曜日、第1、3、5水曜日

 (ホームページのカレンダーをご確認ください)

対応言語

日本語、英語、イタリア語

メニュー

日本語、英語

公式サイト

https://www.momentoitalian.com/

公式SNS

https://www.instagram.com/momento_italian/

ランチタイムは週末でなくともあっという間に満席になることも多い。アンティーク調で落ち着いた店内は全12席
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前菜2皿目の「北海道産あん肝の温かいスフレ」。あん肝の濃厚でふわっとしたムース生地とサクッとした表面の歯応えとのバランスが絶妙!
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3皿目の前菜「鴨肉の58℃低温調理」。鴨胸肉のローストの下には、皮ごと低温の油でじっくりと火を通した里芋と、マッシュルームのラグーソース敷かれていた
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濃厚な風味ながらもさらりといただけるヘルシーなビスクソースのパスタ。ワインはイタリアを中心とした少量生産のナチュラルワインも用意されている
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「通常メニュー以外にベジタリアン、ヴィーガン向けのコースも随時用意していますが予約時にお伝えいただくとスムーズです」と有本シェフと井上さん
「通常メニュー以外にベジタリアン、ヴィーガン向けのコースも随時用意していますが予約時にお伝えいただくとスムーズです」と有本シェフと井上さん

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